ニコ☆プチ

2022.05.24

ライフスタイル

【子どもがネット犯罪に巻き込まれたら、どうする?】親子でネットリテラシーについて考えよう【保護者へん】


子どもが巻き込まれるSNS上の事件は毎年1800件以上発生しており、特に新型コロナ以降は被害者の低年齢化が進んでいます。小学生が被害に遭う事例も増えており、決して他人事ではありません。

今回は、親子で考えてほしいネットリテラシーの話を専門家にお聞きしました。 お子さん向けにアップした記事と一緒に読み、ぜひ親子で話題にしてみてください。

子どもが巻き込まれるSNS上の事件とは?

子どもをターゲットとする犯罪の特徴は、年齢を偽り同年代のフリをしたり、優しい言葉を掛けて恋人関係になったりして、子どもを信用させてから犯行を行うという点にあります。

こういった犯罪者は、手間と時間を惜しみません。信用されるまで、何ヶ月もかけてSNS上でやりとりを続け、最終的にわいせつな画像を送信させるなどします。

今後危惧されるのは、新型コロナが落ち着いて以前のような生活に戻ったとき、犯罪者が手のひらを返し、送らせた画像を使って脅迫などの行為に走ることです。 

子どもを狙う犯罪者は、子どもなら誰でもいいと考えている人間です。つまり、子どもはネットを開いた瞬間から狙われる存在であるということ。このことを親子で知っておく必要があるでしょう。


普段からするべき対応&NG対応

子どもがネット上の犯罪に巻き込まれたとき、その多くが泣き寝入りしていると言われています。これを防ぐためには、保護者の普段の言葉や姿勢が重要になります。

例えば、テレビのニュース等で子どもがネットの事件に巻き込まれたという報道がされたとき、「悪い大人に会いに行った子どもも悪い」「こんな言葉を信じるなんて理解できない」などとコメントしていませんか? それを見ている子どもは、何かあった時に「自分のせいだ」と考え、相談できずにがまんしたり、事実を隠したりするようになります。

そういった報道に接した際の適切なコメントは「こういう事件は誰にでも起きるんだよ」「手口が巧妙で騙されてしまうの」「もしこういうことがあったらすぐに相談してね」です。日ごろからそれらを伝え、相談してもらえる関係を築いていくことが重要です。

また、スマホで起きる問題の一部はスマホで対処することが可能です。スマホ・タブレットに、アップルやグーグルが無償で提供している管理アプリをインストールすることで、子どもが「いま、どのアプリを使っているのか、何をインストールしたか」が把握できるようになります。
必要に応じて、離れたところからアプリを停止したり、インストールを阻止することも可能です。

小学校からのGIGAスクールもスタートし、子どもとインターネットの距離はますます近くなりました。すべてを管理することは難しいですが、アプリの力を借りるなどして、何かあったときの対処法を用意しておくことが肝心です。

子どもが巻き込まれた時の対応の仕方

子どもがSNS上で脅迫されたり、誹謗中傷などの被害に遭っている場合は、その投稿内容、相手のアカウント名、URLなどが見える状態でスクリーンショットを撮り、証拠として残しておきましょう。

よくないのは、自分のアカウントを削除する、相手の投稿をタイムラインから消す、慌てて相手をブロックしてしまうなどです。これは相手を警戒させるだけでなく、証拠を消されてしまうなど、被害者にとって不利な状況につながります。ブロックする場合はせめて証拠を保存してから、が基本です。

さらに、子どもが自分の顔や体などの画像を相手に送ってしまった場合。ショックなこととは思いますが、まずは落ち着いて、状況を確認することが必要です。

「どのSNSで」「どんな写真を送ったか」「顔は映り込んでいるか」「相手に個人情報がどこまで伝わっているか」「相手は何か要求しているか」
これらの情報を、冷静に確認しましょう(必要に応じて、警察への相談も視野に入れてください)。

ただでさえ子どもは説明が上手くありません。非常事態ならなおさらです。分からないサービス、単語が出てきても、決して怒らないでください。その後、二度と相談してくれなくなります。

大人には「問題を解決する力」があることを伝える

子どもの中には「お父さんやお母さん、学校の先生はSNSのことを知らないから相談できない」「話しても説明が大変だし、きっと怒られる」と考え、身近な大人にトラブルを伝えないケースがあります。事実、ネットで起きている問題について、親でも教員でもない、見ず知らずの私に相談してくるケースも珍しくありません。

しかし、何か問題が起きたとき、その子を本当に守れるのは身近な大人である保護者です。大人は子どもよりスマホやアプリに詳しくないですが、いざという時に警察や相談先にアクセスできる、解決法が分からなくても、それを知っている人を見つけることができます。

「ネットについてはあなたのほうが詳しいかもしれないけれど、何か問題があったとき、お母さん(お父さん)はあなたを助ける行動ができるんだよ」ということを伝えるのが重要です。いざという時になぜ頼って良いのか、その理由をしっかり添えて、日ごろから何度も伝えましょう。
 

お子さん向けの記事でもお伝えしましたが、インターネットは世界中につながる「玄関」、つまり家の外。知らない人が歩き回っている場所です。

お子さんが学校に行くときや出かけるとき、玄関で「車に気をつけてね」と毎日のように声をかけますよね。ネットも同じ、家の外です。お子さんが一人で外出するのと同じ感覚で見送り、見守り、サポートして頂きたいと思います。

この記事が、端末設定の見直しや、親子でネットリテラシーについて話すきっかけとなればうれしいです。
話を聞いたのは… 小木曽 健さん
国際大学GLOCOM客員研究員。さまざまなメディア出演を通じて「ネットで絶対に失敗しない方法」を伝えている。全国の学校・企業・官公庁向けに2000回以上の講演を行う。著書に「11歳からの正しく怖がるインターネット」(晶文社)など。@ken_ogiso(twitter)


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

Illustration/Aki Sugii Text/Yoko Masaki

タグ: ライフスタイル

PICK UP