ニコ☆プチ

2022.03.19

本+マンガ

【ニコ☆プチWeb読書部】「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」作者 廣嶋玲子先生にインタビュー

 ニコ☆プチWeb読書部では、人気作品の制作ウラ側や誕生秘話を毎回取材! プチ読に人気の作品や、話題の作品の制作ウラ側を作家さんや編集者さんにお聞きしていくよ。
 今回は大人気『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』シリーズ。作者である廣嶋玲子ひろしまれいこ先生に、制作のウラ側や、紅子さん、そして銭天堂のひみつを取材してきたよ!

[caption id="attachment_34883" align="aligncenter" width="246"]¥990/偕成社 ¥990/偕成社[/caption]

――銭天堂のテーマを思いついたきっかけはなんですか?

廣嶋先生 シリーズの表紙と挿絵を描いてくれているjyajyaジャジャさんの絵を、インターネット上で見たことがきっかけです。
jyajyaさんのレトロな商店街や路地の絵を見ているうちに、「ああ、こういうところにお店があったらいいな。お店……駄菓子屋だ。でも、ただの駄菓子屋ではなく、魔法のおかしを置いている。名前は銭天堂。主人は体が大きくて、髪が白い、紅子という名の女の人だ!」と、どんどんとアイディアがわきあがってきました。

――イラストが先だったのですね! でも、どうして駄菓子屋にしたのですか?

廣嶋先生 うーん、なぜ、駄菓子屋なのかと聞かれましたら、「思いついたから」としか答えようがありません。

――銭天堂が現れる世界は、私たちの住んでいるところと似ています。現代の日本なのですか?

廣嶋先生 読者のみなさんが読んでいる時間、住んでいる場所に、「銭天堂」の世界は存在すると思っています。

――本作ではわくわくするおかしがたくさん出てきますが、どんなところからヒントを得ているのですか?

廣嶋先生 「こういう魔法や力があったらいいな」ということから考えたり、登場させたいおかしに語呂が合う能力から考えたりします。

おかしから考えた例としては、「食欲をコントロールしたい」という願い(これは私自身の切望でもあります……)から、「コントロールケーキ」を思いつきました。

能力から考えた例だと、「マカロン」というおかしに合う能力ってなんだろうと考え、「コロン・マカロン」という香水のような良いにおいがするおかしを思いつきました。

――ずばり、紅子は何者なのでしょうか? 

廣嶋先生 それは……ひみつです。

――では、紅子は集めているお金の製造年をチェックしていますよね。それにはどんな意味があるのですか?

廣嶋先生 これもまだまだひみつ、です。どんな意味があるのか、想像しながら読んでみてくださいね。

――では、紅子は何歳ですか? これだけでも!

廣嶋先生 残念ながら、これもまたお答えできません。女性に年齢を聞くのは失礼ですもの。

――知りたいですが、ここはぐっとガマンします……。先生が愛読者におすすめしたい「こんなところにも注目しながら読んでほしい」というポイントはありますか?

廣嶋先生 内容はもちろん、jyajyaさんの絵をぜひ楽しんでいただきたいですね。表紙に細かく描きこまれたおかしの数々には、私もいつも圧倒されています。しかも、お話の中に登場するおかしが全部、表紙のどこかにあるのです。「今回はどこにかくれているかな」と、毎回わくわくしながらおかし探しをしています。

読者さんのみなさんも、読んだ後は表紙のどこに登場するおかしがあるのか探してみてください。

――最後に、読者にメッセージをお願いします。

廣嶋先生 物語を楽しんでいただけたら、それだけで十分です。その中で、「自分だったら、こんなおかしを食べたいな」とか、「私が『銭天堂』の紅子なら、こういうおかしをお店に置きたいな」というように、想像力をふくらませてもらえたら、こんなにうれしいことはありません。

――ありがとうございました!

[caption id="attachment_34884" align="aligncenter" width="246"] ¥990/偕成社(4月15日発売)[/caption]

 ふしぎな女性・紅子とそのおかしを求める人々、そしてふっと心を和ませてくれる隅丸&金色の招き猫たち♡ はらはらわくわくが止まらない「銭天堂」シリーズにこれからも注目あれ!


お話を聞いたのは…… 作家 廣嶋玲子先生

児童書作家として、小学生が楽しく読めるお話をたくさん書いているよ。『水妖の森』(岩崎書店)で第4回ジュニア冒険小説大賞、『狐霊の檻』(小峰書店)で第34回うつのみやこども賞受賞。作品に『送り人の娘』『火鍛冶の娘』(角川書店)、『盗角妖伝』『ゆうれい猫ふくこさん』(岩崎書店)、『魂を追う者たち』(講談社)など。

Text/Yoko Masaki



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